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本でお金の勉強【書評】アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書


お金をテーマにしたブログをはじめて、お金の勉強も継続していきたいと考えています。一つの方法はお金に関する書籍を読んで、読者の皆さんに紹介することも重要だと考えています。

私も常々「なぜ学校でお金について教える授業」がないのか疑問に思っておりました。今回紹介する「アメリカの高校生が読んでいるお金の教科書」は、アメリカで高校生向けに書かれています。はたしてどのようなことを教えているのか興味をもち、読みました。

本書で触れられている内容は非常に幅広く、高校生の時に読んでもピンとこない内容が多いともいえます。ただし、社会人になってある程度経験を積んでいる人にとっては必要な知識のかたまりであると感じました。

原題はFinancial Literacy for Millennials: A Practical Guide to Managing Your Financial Life for Teens, College Students, and Young Adultsということで必ずしも高校生向けに書いているわけではなく、あくまで若い世代向けに書かれたファイナンスの基礎の本となります。

この本を勧めたい人

  • お金についてなるべく若いうちに学んでおく必要があると感じている人
  • 日常生活にかかわる金融全般の知識を身に着けたい人
  • お金について人に教えたいと考えている人

この本のポイントは次の通りです

著者:アンドリュー・O・スミス。企業経営者、弁護士。学生時代からお金にかか
わるアドバイスを実施。

内容:日常生活でお金にかかわることを広く網羅しています。ただし、良くも
悪くも教科書的なので、興味がない(まだ経験したことのない)分野の
部分は飛ばして読んでもいいかもしれません。

学べる事:お金についての基礎知識、いかに稼ぎ、貯め、増やすのかを網羅的に
学ぶことができます。

一生お金に困らない生き方をするために

一生お金に困らない生き方をするためには、自分のお金の面倒は自分で見るしかないと著者は述べています。自分でお金の計画を立て、自分の資産状況を定期的に把握することを勧めており、次の5つの要素を計画に組み込むことを勧めています。

  • 支出:今のライフスタイルを維持するためにはどれくらいのお金が必要か
    把握する。
    – 家賃にお金をかけすぎない
    – 自動車は取得と維持にお金がかかる。どうしても必要な場合は現金一括
    で購入する
    – 小さな出費に気を付けて倹約をする
  • 収入:生涯所得を最大化させるために職業を選択する
    – 会社に勤める、専門職に就くだけでなく、自分で事業を起こすこと、
    副業、不動産から収入も得る手段がある
  • 貯金:基本的に収入が入ったら、貯金する分だけ先に別の場所に移す
  • 借金:何のために借金をするか、いくらをどのような条件で借りるか
  • 安心:万が一に備えて保険に加入するここにテキストを入力

ローンと金利の仕組み

借金については、ローンと金利について基本的な仕組みを説明しています。
住宅ローンを組んだことがある人であれば常識的な内容です。しかし、このような仕組みを高校生の頃に知っていたかというと、私は知りませんでした。
借りる期間と金利によって総返済額は大きく変化することは誰しもが知っているべき知識です。

本書より引用

ローンと金利の仕組み

返済期間が延びると毎月の返済金額は減少するが、金利と合わせた支払金額は大きく膨らみます。

投資の基本

投資については長期で分散投資をして取り組むべきと述べています。投資については次のポイントを取り上げています。

  • 福利を生かして長期間投資するべき
    複利の効果を改めて説明する必要はないかもしれませんが、長期的に見た場合にその効果は絶大です。

本書より引用

1000ドルを貯金した時の単利と複利の違い

  • リスクとリターンの関係性
    リスクを抑えるには分散投資、特にインデックスファンドのETFに積み立て投資していくことがおすすめ(個別株や、アクティブファンドに投資するよりも)
  • デリバティブ、商品先物、通貨先物には手を出すな
    仮想通貨も価値が安定してより広く使えるようになるまでは様子見すべき

老後資産の基本

働いている間に貯蓄をしなければならない。また、年間の取り崩し額、運用年利によって、必要な元手は変わってきます。当然年利が大きく、毎年の取り崩し額が少なければより長く元手を持たせることができます。

このようなことを高校生の時に考えられたかというと、皆無でしたね。

本書より引用

貯金で何年生活できるか

老後資金は早く備えを始めた方が楽なのは感覚的にわかると思います。では具体的に何歳から貯金を始めるべきか、本書の中では10年の差を設けて例を挙げています。年利が一緒であれば早く貯蓄を始めた方が複利の効果で貯金額が大きく変わることがわかります。

本書より引用

老後資金を10年多く複利で運用するとどうなるだろうか

お金のヒント

最後にお金のヒントを10個取り上げていますが、その中で私がなるほどと思った5つを紹介します。

本書より引用

  • 質素の暮らす:お金は無限にあるわけではなく、そして将来何が起こるかは誰にもわからない。つねに倹約を心がけていれば、いざというときもあわてることはない。
  • うまい話は疑う:儲け話を持ちかけられたけれど、中身がよく理解できない場合は、その場で断って絶対にふり返らない。うまい話には必ず裏がある。
  • 投資の多様化:多様な資産に分散投資をしていれば、何かで損失が出ても他のもので埋め合わせができる。これがローリスクで確実なリターンが期待できる投資法だ。
  • 長期で考える:今の若い人たちは、おそらくかなり長生きをすることになるだろう。人生100年時代に備え、長い目で見たお金の計画を立てなければならない。
  • お金のことを真剣に考える:お金は大切だ。お金の基本をきちんと学び、大きなお金の決断をするときは入念に下調べをすること。お金に詳しい人から話を聞くことも役に立つ。

特に最後の「お金のことを真剣に考える」は大事だと思いました。上記の文章を読んだだけでは薄い感じがしますが、しかし、自分のお金のことは自分自身で学び、考え、使い道を決めていかないといけないことです。誰かに任せることができない、それがお金だと改めて考えさせられました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。この本を読もうとしている人の参考になれば幸いです!

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