4つ目のETFはHYG:Iboxx $ High Yield Corporate Bd Ishares、Black Rock社のETFブランドiSharesとなります。同ブランドでは各国のインデックスをほぼ網羅しており、2020年末においてもアメリカのETFの総資産額の1/3以上のトップシェアを占めています。商品詳細は次のページに記載されています(https://www.ishares.com/us/products/239565/ishares-iboxx-high-yield-corporate-bond-etf)。
設定日:2007年4月4日
資産総額:230億ドル(2021/04/08)
信託手数料:0.49%(ちょっと高め)
分配金の決済日:毎月
High Yieldという事で利回りが高く、信用格付けの低い債券を集めたETFとなります。信用格付けが低いというのは、格付け会社などでBB以下の評価をされている債券を指します。信用が低い分格付けの高い債権よりも金利型か設定されています。
具体的にどのような債券で構成されているかというと、2021年4月8日時点で1306種類の債券で構成されています。国別・金額別の内訳は次の通りです。ほぼ米国の債券で構成されていることがわかります。
トップ10銘柄は次の通りです。BB格以下の債券という事であまり聞いたことのない企業が多いです。聞いたことがあるのはスプリント、フォード自動車くらいでしょうか。
格付けの低い債券を集めたETFというとリスクの高いイメージを抱きますが、このETFに投資する意味は何なのでしょうか?
特徴①:株式よりも値動きが安定
債券なので、株式よりも値動きは大きくないという特徴があります。S&P500の値動きと比較したベータ値は0.40。S&P500の値動きを1とした場合にHYGの値動きは40%程度という事になります。そのため株式投資と組み合わせて債券に投資することでリスクヘッジをすることができると考えます。
特徴②:比較的高い配当利回り
直近1年間のリターンは18.92%という事で非常に高いと思います。昨年12月時点のリターンは4.12%だったので、リスクが高まっていると言えるのでしょうか?下記のチャートを見る限りは昨年の年末以降は安定しているように見られます。
BloombergのHPより引用
特徴③:景気の判断に使える
High Yield債券は株式市場の暴落を予測する「炭鉱のカナリア」として使えると言われています。最初は割安で良い株式(優良株)が買われるのですがそういった銘柄の価格が上昇して旨味が薄まると、より利回りの高い優良とは言えない株を投資家は買い始めるようになります。
逆に株式市場の状況が悪くなると真っ先に悪い株から売られ始めます。債券市場も同様に景気が悪くなると格付けの低い債券から売られると考えられるため、HYGの値動きを見ることで景気の判断ができるといえます。
いずれにしても難度の高い、癖のあるETFを投資ポートフォリオの中に組み込んだと考えています。小まめに動きを見ていきたいと思います。